ゲームを作ったらどこで売るのが効率的か？

ゲーム制作者の悩み：作ったゲームをどこで売るか？

ゲームを制作することは、創造的なプロセスの中で非常に満足感を得られるものですが、完成した作品をどこでどのように販売するかという問題に直面することもあります。特に、個人のゲーム制作者にとっては、リソースが限られているため、最適な販売プラットフォームを選び、適切にゲームを公開・販売するための知識が重要です。この記事では、個人ゲーム制作者がゲームを販売できる主要なプラットフォームと、その手順を詳細に解説します。

1. Steam

Steamは、世界最大のデジタルゲーム配信プラットフォームの一つであり、個人制作者にとっても魅力的な場所です。Steamには膨大なユーザーベースがあり、適切なプロモーションとコミュニティマネジメントを行うことで、独立したゲームでも大きな成功を収める可能性があります。

公開手順:

Steamworksアカウントの作成:
- まず、SteamworksというSteamのパートナー用サービスに登録する必要があります。これは無料で利用でき、パブリッシングやゲームの管理に必要なツールが揃っています。
- アカウント登録後、契約に同意し、100ドルの一時的な申請料を支払います。この料金は、ゲームが1,000ドル以上の売り上げを達成した後に返金されます。
ゲームの準備:
- ゲームのビルド（実行ファイル、リソースファイルなど）を作成し、Steamworksのインターフェースを使ってアップロードします。
- また、ゲームのストアページを設定する必要があります。これには、ゲームの説明、スクリーンショット、トレーラー、システム要件などを入力します。
審査と承認:
- ゲームがアップロードされると、Steamによる審査が行われます。技術的な問題がないか確認され、問題がなければ公開準備が整います。
ゲームのリリース:
- 審査が完了し、承認されたら、Steamworksのインターフェースでリリース日を設定できます。また、リリース前に宣伝活動を行い、ゲームへの関心を高めることが重要です。
販売開始:
- リリース後、Steamのストアページでゲームが販売されます。売上は、Steamが30％の手数料を差し引いた後、月次で振り込まれます。

2. Itch.io

Itch.ioは、インディーゲーム制作者に特化したプラットフォームで、柔軟性の高い収益分配モデルが特徴です。クリエイターは、自身のゲームをどのように販売するかを自由に決めることができます。手数料も0％から設定可能で、自分で好きな割合を決められます。

公開手順:

Itch.ioアカウントの作成:
- Itch.ioのウェブサイトにアクセスし、無料アカウントを作成します。アカウント作成後、すぐにゲームをアップロードすることができます。
ゲームのアップロード:
- アカウント作成後、「Dashboard」から「Upload new project」を選択し、ゲームのファイルをアップロードします。ゲームの名前、説明、カテゴリー、価格を設定し、公開準備を整えます。
ページデザインのカスタマイズ:
- Itch.ioでは、ストアページのデザインを自由にカスタマイズできます。CSSやHTMLを使用して、独自のスタイルにページを装飾できます。視覚的に魅力的なページを作成することは、販売促進に効果的です。
価格設定と販売モデルの選択:
- ゲームの価格を設定する際には、固定価格、寄付制、または無料配布を選択できます。また、収益の分配割合も設定でき、Itch.ioに対する手数料を0％から30％までの範囲で自由に設定可能です。
販売開始:
- ゲームを公開すると、Itch.ioのストアに表示され、販売が開始されます。売上は、PayPalやStripeを通じて即座に受け取ることができます。

3. Humble Bundle

Humble Bundleは、チャリティー要素を取り入れたゲーム販売プラットフォームです。インディーゲーム制作者が自分のゲームをバンドル販売や単品販売するための良い選択肢となります。特に、バンドル販売に参加すると、多くのプレイヤーにリーチすることができます。

公開手順:

Humble Partnerプログラムに参加:
- Humble Bundleのパートナープログラムに登録し、パートナーアカウントを作成します。このプログラムに参加することで、独自のストアページを持つことができます。
ゲームの提出:
- Humble Bundleでは、ゲームのバンドル販売や単品販売のために、自分のゲームを提出する必要があります。ゲームの提出は、パートナーポータルから行います。提出する際には、ゲームの詳細、価格設定、配布形式を入力します。
Humbleチームの審査:
- 提出されたゲームは、Humble Bundleのチームによって審査されます。承認されれば、ストアページが作成され、販売が開始されます。
販売開始とプロモーション:
- ゲームがストアに掲載されると、Humble Bundleのユーザーベースに向けて販売が行われます。販売時には、Humble Bundle内でのプロモーションが行われるため、露出を増やすことができます。
売上の管理:
- 売上は、Humble Bundleを通じて管理されます。利益の一部はチャリティーに寄付され、残りは制作者のアカウントに振り込まれます。

4. GOG.com

GOG.comは、DRMフリー（デジタル著作権管理なし）でゲームを販売するプラットフォームです。インディーゲームに特化したGOG Galaxyを通じて、プレイヤーと強力なコミュニティを築くことができます。GOGは品質にこだわるプラットフォームであり、ゲームが厳選されるため、販売できれば大きなステータスとなります。

公開手順:

パートナー登録:
- GOG.comのパートナーになるためには、GOGパートナープログラムに登録し、ゲームの詳細情報を提出します。特に、GOGはゲームの品質を重視するため、選考プロセスが厳しいです。
ゲームの評価:
- 提出されたゲームは、GOGのチームによって評価されます。この評価には、ゲームの内容、技術的な品質、そしてGOGのユーザーに適しているかどうかが含まれます。
ゲームの最適化:
- 承認された場合、ゲームはGOGプラットフォームに最適化されます。特に、DRMフリーであることが条件なので、ゲーム内でのDRM管理がないことを確認する必要があります。
ストアページの設定:
- GOGのストアページを設定し、ゲームの説明や画像、動画などをアップロードします。また、価格設定もここで行います。
販売開始:
- GOGのストアにゲームが掲載され、販売が開始されます。GOGはインディーゲームのプロモーションを積極的に行うため、成功すれば大きな売り上げを期待できます。
収益の受け取り:
- 売上は、GOGから直接振り込まれます。GOGは他のプラットフォームと同様に、30％の手数料を取ります。

5. Epic Games Store

Epic Games Storeは、Fortniteの開発元であるEpic Gamesが運営するゲーム販売プラットフォームです。比較的新しいプラットフォームですが、インディーゲームにも門戸を開いており、Epicの大規模なユーザーベースにリーチすることができます。また、Epicは制作者に有利な70/30の収益分配モデルを提供しています。

公開手順:

Epic Developer Portalへの登録:
- Epic Games Storeでゲームを販売するためには、Epic Developer Portalに登録する必要があります。ここで、ゲームの情報を入力し、プロジェクトを作成します。
ゲームのビルドとストアページの準備:
- ゲームのビルドをアップロードし、ストアページを設定します。Epic Games Storeはビジュアルを重視するため、魅力的なスクリーンショットやトレーラーを用意することが重要です。
ゲームの審査:
- Epic Gamesのチームがゲームを審査します。審査に合格すると、公開準備が整います。
プロモーションとリリース:
- Epic Games Storeは定期的にセールやプロモーションを行っており、インディーゲームにも積極的に参加させています。リリース前にプロモーション活動を行うことで、より多くのユーザーにアプローチできます。
販売と収益管理:
- ゲームが販売されると、Epicのダッシュボードから売上を管理できます。収益は月次で振り込まれ、他のプラットフォームと同様に70/30の分配が行われます。

6. Google Play / Apple App Store

モバイルゲームの市場に参入する場合、Google PlayとApple App Storeは欠かせません。モバイルゲームの開発者にとって、これらのプラットフォームはグローバルに展開できる大きなチャンスを提供します。

公開手順:

開発者アカウントの作成:
- Google Playでは、Google Play Consoleに登録し、開発者アカウントを作成します。Apple App Storeでは、Apple Developer Programに登録します。どちらも年会費が必要です（Google Playは一度限りの25ドル、Appleは年間99ドル）。
アプリのアップロード:
- Google Play ConsoleまたはApple Developer Consoleを通じて、アプリのビルドをアップロードします。APKファイル（Google Play）やIPAファイル（Apple App Store）を準備し、必要なメタデータを入力します。
ストアページの設定:
- スクリーンショット、アイコン、説明文など、ストアページに必要な要素を設定します。また、ターゲットオーディエンス、価格設定、配布地域なども指定します。
レビューと審査:
- アップロードが完了したら、Google PlayまたはAppleの審査が行われます。特にAppleは審査が厳格であり、アプリがガイドラインに準拠していることを確認する必要があります。
リリースとプロモーション:
- 審査が完了し承認されたら、アプリをリリースできます。リリース後は、アプリ内課金や広告収益モデルを利用して収益を最大化することができます。
売上の受け取り:
- Google PlayとApple App Storeでは、それぞれ30％の手数料が取られますが、残りの収益は定期的に支払われます。特に、モバイルゲームの成功には、定期的なアップデートとユーザーフィードバックの活用が重要です。

7. 自分のウェブサイト

自分のゲームを完全に独自に販売したい場合、自分のウェブサイトを作成するのも一つの選択肢です。これにより、手数料を抑え、売上を直接得ることができます。しかし、この場合、マーケティングや支払い処理、配布のすべてを自分で管理する必要があります。

公開手順:

ウェブサイトの作成:
- WordPressやWix、Squarespaceなどのウェブサイト作成ツールを使って、自分のゲームを販売するためのウェブサイトを作成します。ECサイト機能を追加するためには、WooCommerceやShopifyなどのプラグインを利用できます。
支払い処理の設定:
- StripeやPayPalなどの支払いゲートウェイを統合し、顧客がゲームを購入できるようにします。これにより、クレジットカードやデビットカード、PayPalを通じた支払いが可能になります。
ゲームのダウンロード管理:
- ゲームファイルの配布には、Amazon S3やGoogle Driveなどのクラウドストレージサービスを利用することが一般的です。これらをウェブサイトにリンクし、購入者がゲームをダウンロードできるようにします。
マーケティングとプロモーション:
- 自分のウェブサイトでゲームを販売する場合、SEO対策やSNSでのプロモーションが重要です。また、メールリストを作成し、ニュースレターで新作ゲームやアップデート情報を発信することも有効です。
販売とサポート:
- 販売後のサポートも、自分で行う必要があります。バグ修正やユーザーからの問い合わせに迅速に対応し、良好な関係を築くことが求められます。

終わりに

個人ゲーム制作者にとって、完成したゲームを販売するための適切なプラットフォームを選ぶことは、成功への重要なステップです。各プラットフォームには異なる強みと弱みがあり、ターゲットとする市場やユーザーベース、手数料の構造などを考慮して選ぶ必要があります。この記事で紹介したプラットフォームを参考に、自分に最も適した場所でゲームを販売し、成功を収めることを目指しましょう。

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